Project
『金沢の光を世界へつなぎ、未来を照らす』
世界唯一のダイヤモンド科学技術を核に、社会実装を目指す研究センターサイト
- Client
- 金沢大学ダイヤモンド研究センター様 研究センターサイト
- Works
- Webサイト, 撮影・映像制作, 研究機関, ロゴ
Outline
金沢大学ダイヤモンド研究センター様の設立に伴い、ロゴおよびWebサイトの制作を担当しました。
「金沢の誇り」と「最先端の知性」という相反するテーマを、灯籠と水引をモチーフにしたロゴで融合。単なる研究紹介に留まらず、2050年の社会インフラを支えるダイヤモンドの可能性を、一本のラインでつながるスクロール体験へと昇華させました。

背景と課題:世界が注視する「知の拠点」の誕生
金沢大学ナノマテリアル研究所(ナノマリ)で省エネデバイス研究を牽引し、今や国内外の機関から注目を浴びる德田先生。新センター「ダイヤモンド研究センター(ARCDia)」の発足にあたり、私たちはその発信拠点となるWebサイトとロゴを制作しました。
最大の課題は、究極の半導体材料としての専門性と、一般の方々をもワクワクさせる未来のビジョンの両立でした。德田先生の「遠くない未来、人類は宇宙進出できる」という未来を語っている姿や、これからここで世界・未来に浸透させていくんだという強い意志を、いかにして世界の研究者、そして社会へと届ける窓口にするかが、本プロジェクトの出発点でした。

コンセプト:金沢の光を世界へ、未来を照らすハブ
当初、ご要望の中にあった「金沢の伝統・和モダン」と「先進性・未来感」という相反するキーワードを融合させるため、「和」を装飾ではなく「誇り」として再解釈。社会の中枢に位置する研究所として、過度な距離感を与えない公共性を保ちつつ、静けさの中に強いエネルギーを内包するトーンを目指しました。
- ロゴデザイン:ロゴ制作では、この研究拠点を多様な領域や人、そして世界・未来へとつながっていく「ハブ」の役割を担っていると捉えました。その解釈をもとに、金沢の象徴である「灯籠」から着想を得て、「導く光」と「揺るぎない土台」を表現。さらに、人と人、領域と領域を結び、関係性を広げていく様子を「水引」で表現しました。
これらを掛け合わせることで、金沢の光を世界へつなぎ、未来を照らすイメージを形としました。

- Webサイト:ロゴに込めた意味を発展させ、「世界の中にエネルギーを流す起点」であることを核としたデザインとしました。
社会の中枢に位置する研究所として、過度な距離感を生まない公共性と、静けさの中に強い光やエネルギーを内包するトーンで構成しています。


制作のアプローチ:科学的正確性と感情的ワクワクの融合
今回最も力を注いだのは、ダイヤモンドというモチーフの扱いでした。一般的に認識されている装飾(ジュエリー)としてではなく、未来の社会インフラを支える研究対象として、ダイヤモンドをどのように表現するかが課題となりました。
当初は、ジュエリー的な印象を排するため、形状を崩した抽象的なダイヤモンドモチーフとしてコンセプトおよびストーリーを設計し、提案を行いました。
しかし、研究の性質上、ダイヤモンドの幾何構造を正確に反映する必要があり、抽象表現では研究機関としての信頼性や説得力が十分に担保できないと判断し、方向性を見直しました。
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幾何構造への執着: ジュエリーとしてのギラギラ感を排しつつ、研究対象としての本物を追求。打ち合わせの場でイラストを投影し、「テーブルトップ(ダイヤモンドの上面にある平らな面)が見えるように」、「形状は八角形」「向きはこの角度で下の尖りは見せない」と話し合いながら調整しました。科学者が見ても違和感のない幾何学的特徴を反映させました。抽象的にするのであれば、ダイヤの形に意味があるよう、散りばめられているダイヤも同じく合わせてブリリアンカットにしました。
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未来の視覚化: 当初はビジョンを年表形式で見せることも一つの案でしたが、ビジョンを伺った時ワクワクした気持ちを体験してもらうため、宇宙空間から地球を望むイラストを採用しました。未来への期待感の明るさを表現するため、月を描き暗い絵になることを避け、地球が見える風景を描くことで宇宙空間であることを示唆し、最先端技術が拓く開放的な期待感を表現しています。


ユーザー体験:知がほどけ、未来へと収束するストーリー
Webサイトでは、ロゴに込めた「結び」の意味をスクロール体験へと展開しました。
ロゴが解けて一本のラインへと変化し、研究対象であるダイヤモンドを結びながら、スクロールに応じて複雑な研究や知がほどき、新たに編み直し、結び、次の世界へとつないでいく。その流れの先で、ダイヤモンドとラインは、スクロールとともに下降しながら理念をつなぎ、その行き着く先で、2050年の未来社会を映し出すダイヤモンドへと収束させています。
ダイヤモンド科学技術が未来社会を支える「基盤」へと昇華していく姿を、体験として可視化しました。
- ディティール:ダイヤモンドのかけらや各ボタンやグループのデザイン要素は、ダイヤモンドのエネルギーが多様な研究や技術を生み出していることを表現。
- 2050年のイラスト:ダイヤモンド半導体が「Intel Inside」のように当たり前に使われる未来を、宇宙での生活シーンとして表現。
- リサーチグループエリア:人物写真を用い、実際の研究の空気感と研究者の想いが伝わるようにしました。
- 撮影:海外の雑誌のような遊び心を感じる方向性を採用。研究者の人間味と情熱が伝わるよう、固くなりすぎないポートレートで構成し、日本を代表し世界へ躍進するセンターの存在感を演出しました。
「金沢から世界へ、そして宇宙へ」。
ダイヤモンド研究センターのみなさんの強い思いと、未来の社会インフラを支えるダイヤモンド科学の可能性を表現したWebサイトです。

Project Team
- 西田萌音(nicottolab, Inc.) Project Management / Direction
- 坂井美里(nicottolab, Inc.) Design
- 山本哲朗(tetoru) Photograph
- 牧 隆道(株式会社カタポスト) Front End Development
- 松井葉月(nicottolab, Inc.) Illustration
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