PROJECT TEAM
- 長岡奈々 Project Management / Direction
- 嶋崎ひなた(nicottolab, Inc.) Direction
- 黄 思逸(nicottolab, Inc.) Design / Illustration
- 若村誠也(nicottolab, Inc.) Front End Development
- 山本佑香(COMA) Photograph
| Release | 2026.02 |
|---|---|
| Client | 有限会社れもん 様 |
| Url | https://lemon-yu.com |

金沢市有松で40年以上親しまれてきた銭湯「有松温泉 元湯れもん湯」のWebサイトをリニューアルしました。
世代交代をされた3代目ご夫婦が、さまざまな新しい取り組みに挑戦される中、
「新しいれもん湯の魅力や、鮮度の高い情報をより多くのお客様へ届けたい」という想いを形にするため制作しました。
心も体も温まるれもん湯のやさしい空気感を、どこか懐かしさを感じるレトロなテイストと、親しみやすく明るいデザインで表現しています。

令和の現在、核家族化が進み、各家庭にお風呂があるのは当たり前となっています。
全国の銭湯は少しずつ街から姿を消し、金沢市内でも最盛期には100軒以上あった銭湯が、
2020年の新型コロナの影響も重なり今や20軒ほどに。
そんな厳しい状況の中、若いご夫婦が3代目としてれもん湯を引き継ぎました。
近年人気の高いサウナの充実やSNSでの積極的な情報発信など、新たな取り組みを重ねながら、
少しずつ新しいファンを増やしている中で、今回Webサイトのリニューアルをご依頼いただきました。
れもん湯には、唯一無二の魅力が数多くあります。40年以上受け継がれてきた歴史と想い。
どこよりも黒い天然のモール泉。3代目が情熱をかけて進化させたサウナ。そして全国でも珍しい家族風呂など。
それらの魅力を、まだれもん湯を知らない方へ余すことなく届けること。
そして、長年通い続けてくださる常連の皆様にも必要な情報を分かりやすくお伝えすること。
それらを両立させることが今回のWebサイト制作における大きな課題でした。

れもん湯に長年通う常連さんの中心はシニア層。
近代的なアニメーションやイラストは、楽しいけれどどこか少し距離を感じてしまう。
たくさんの魅力を伝えたいけれど、長いスクロールは途中で読むのをやめてしまうことも。
だからこそメインビジュアルに想いをぎゅっと閉じ込めました。
まず目を引くのが、れもん湯のあたたかく優しい雰囲気がまっすぐに伝わる人々の笑顔です。
実は写真に映るこの方々は、公募で集まってくださった、日頃かられもん湯を愛する常連の皆様。
撮影中も多くの笑顔が絶えず、れもん湯さんとの親しみのある関係性が自然と写真に表れました。
その空気感は、パソコンやスマートフォンに慣れていない世代の方々にも、
訪れた瞬間から安心を感じられる入り口になっています。
また、これらの写真はこれから長くれもん湯の顔として使われていくもの。
ご本人はもちろん、ご家族やご友人にとっても、思い出に残る一枚になればという願いも込めています。
そして、笑顔を囲むように営業時間や休館日、お知らせなど、利用に欠かせない情報を配置しました。
これらは常連さんはもちろん、初めて訪れる方が最も知りたい情報のひとつです。
サイトを開いた瞬間に必要な情報が自然と目に入り、迷うことなく利用できる。
そんな「やさしさ」も、このメインビジュアルに込めています。

昔から地域に親しまれてきた銭湯の記憶やぬくもりを受け継ぎながら、
若い世代や観光客にも「行ってみたい」と感じてもらえる、現代的なデザインを目指しました。
写真は空間を美しく見せるだけでなく、昔からそこにある場所の空気や、
人々の営みまで感じられるレトロなトーンに調整。
一方で、余白や文字組はすっきりと整え、昭和らしい親しみやすさと、
現代のWebサイトとしての見やすさ・洗練さを両立させています。
また、写真だけでは表現しきれない楽しさや、れもん湯らしい人懐っこさをイラストで表現。
ページを読み進めるにつれて「れもん湯を楽しみたい!」「れもん湯に行ってみたい!」
という気持ちが自然に高まる閲覧設計をしました。
装飾的なレトロ表現と整理された情報設計を組み合わせることで、世界観を楽しみながら
必要な情報にも迷わずたどり着ける、「楽しいけれど迷わない」サイトを目指しています。
これからも、街に愛される銭湯であるために。
れもん湯のご夫婦はもちろん、スタッフの皆様、撮影にご協力いただいた常連の皆様、
そして撮影を担当したカメラマンまで、多くの方から「公開が楽しみです」との
お声がけをいただきながら制作を進めました。
公開後も喜びのお声をたくさんいただいています。
初めて訪れる方には「行ってみたい」というきっかけを、
長年れもん湯を愛してくださる方には「やっぱりれもん湯が好き」と感じてもらえるような、
世代を超えてわくわくが広がるWebサイトとなりました。
さて、今日は仕事を少し早めに切り上げて、私もれもん湯へ行ってきます。