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京都イノベーションキャピタル株式会社様が運営する起業家候補のためのコミュニティ「ECC-iCAP」のリブランディングWebサイトを制作させていただきました。ヒアリングから紐解かれた人格定義をはじめ、コンセプト提案、設計、ロゴ、サイトデザインを担当しました。大学発スタートアップの裏側で起きている知的かつ熱量のぶつかり合い、これらを凝縮させたデザイン表現を追求した制作過程そして意図をぜひご覧ください。

-Background- 京都iCAPの文脈から切り離された、ECCだけの言語を立ち上げること
京都iCAPさまは大学発スタートアップに特化したVCとして、「ヒト・モノ・カネ」のうちヒト——すなわち創業社長となる経営人材——の不足という構造的な課題を抱えていました。年間12社の創業案件創出を目標とする中、経営人材コミュニティは現状30名規模にとどまり、100名規模への拡大を目指していました。
サービスとして存在していたECC(Entrepreneur Candidate Club)-iCAPは、起業を目指すビジネスパーソンと研究者をマッチングするコミュニティとして機能していましたが、それを外に向けて届けるブランディングサイトがありませんでした。既存の京都iCAPコーポレートサイトは、多様なステークホルダーに対して信頼と誠実さを伝えるための、真摯なトーンで設計されています。ECC-iCAPもまた京都iCAPの思想を根底に持ちながら、「ライトな起業をしてほしい」「ギスギスしよう」「社会的な死を恐れるな」——ターゲットや伝えたいことが異なる分、コーポレートとは別のトーンへのチューニングが必要でした。
そこで私たちが目指したのは、コーポレートの文脈から切り離された、ECC-iCAPだけの言語と空気を立ち上げること。そして必要な情報設計を丁寧に行いながら、関心のある人が自分へのメッセージとして受け取り、一歩を踏み出すきっかけになるサイトをつくることでした。
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-Research- 紐解かれる「熱量」と「冷静さ」
設計/コンセプトデザインの土台を作る為、まず私たちはリサーチを開始しました。受け取った言葉を鵜呑みにしてオウム返しするだけでは、真の理解とはいえない。そこでリサーチによってクライアントの奥底にある「熱量」と「ロジック」を自分自身の言葉で語れるレベルまで解像度を引き上げる必要がありました。
リサーチで特に時間を費やしたのはクライアントが作成した動画視聴。幸いなことに制作時5分~1時間超の動画が60品程投稿されており、この情報がカギとなりました。ECC-iCAPを語る動画はもちろん、開催されたリバースピッチイベント動画(研究者から起業家候補者へ向けたマッチングイベント)そして、京都iCAPと関係性を有し既に起業・資金調達に奔走している先輩経営者のインタビュー、対談動画など、本サイト制作における熱量を図る上で必要な情報が揃っていました。
全動画を視聴したことで得られたことは、一人ひとりが計り知れない熱量を持つこと(研究への誇り、自分への自信)、ただ、その熱い想いとは裏腹に、誰の真似でもなく、自分が何を為すべきかを、冷静に客観視する姿勢が垣間見える側面がありました。
ECC-iCAPのスローガンは「知的ヤンキーであれ」。これを聞いただけでは、もしかしたらイメージし辛いかもしれません。ただし、リサーチを通してこの言葉が持つ意味に合点がいくと共に、「計り知れない熱量」と「現状を冷静に分析する知性」を有している人物にこそ、このサイトを届けるべき。という核心に繋がりました。
-Concept- 人格を読み解きECCだけの世界観と空気感をつくる
リサーチの結果載せるべき情報の整理ができ、設計は順調に進みましたが、デザインコンセプトの方向性が一番の悩みでした。最初に浮かんだのは「マグマ」——静かだが熱い知性のイメージです。しかしヒアリングを重ねるうちに、クライアントの言葉は変わっていきました。「ギスギスしよう」「衝突」「火花」「社会的な死を恐れるな」。内側に秘めるエネルギーではなく、衝突から目に見えるカタチで放出される爆発的なエネルギーのイメージへと変化していきました。
さらに、ECC-iCAPを擬人化し、「何者」なのかを言語化するため、12のアーキタイプから4つを選択し比率を決めました。
Outlaw(破壊者) 40%
Sage(賢者) 30%
Hero(英雄) 20%
Magician(魔術師) 10%。
最大をOutlawにしたのは、ヒアリングの言葉がすべてそこに向いていたからです。通常のスタートアップ支援であればHeroが中心になると想定しています。しかしECC-iCAPが欲しいのは「常識を壊す人間」でした。このアーキタイプをもとにムードボードを作成し、ビジュアルの方向性を定めました。そしてデザインの縦軸として落とし込んだのが「ビッグバン」というコンセプトです。破壊と創造が連続するプロセス、星が生まれて崩壊してまた生まれる循環が、ECC-iCAPのエコシステムと重なりました。キービジュアルでは放射状に亀裂が広がりコピーが崩れていく表現にこだわりました。「壊れていくもの」の中に次の何かが生まれる予感を込めています。

-Interaction- 「混沌」と「洗練」の融合
本サイトのTOPページはローディングでパーティクルが中心に吸い寄せられ、爆発する様に放射状に広がる演出からスタートし、セカンドエリアのステートメントが剥がれるようなモーションを経て、混沌とした雰囲気を醸し出す演出を施しています。しかし、それ以降はサイトのトーン自体も明るく転調し、知性に訴えかける情報の記載へと移行していきます。
Webサイトとして機能とECC-iCAPの人格を結合させ、機能的且つ人格が表現されたサイトへと昇華させました。
本サイトがこれからのECC-iCAPの礎となり、そしてスタートアップエコシステムの一部として機能する事を願っています。